抵当権とは、顧客が万が一住宅ローンなどを払えなかったときのために、購入した住宅等に対し、金融機関が設定する「担保」のことをいいます。住宅ローンなどを完済した場合、当然この担保は必要がなくなるため、速やかに抹消しなければなりません。
しかし抵当権の登記は、住宅ローンなどを完済すれば自動的に消えるものではないのです。抵当権の登記を抹消するには、金融機関から送られてきた書類に必要な事項を記入し、申請書を作り、法務局に提出しなければなりません。
上記のように抵当権の抹消には労力が伴いますが、そのまま放置するわけにはいきません。なぜなら、抵当権の抹消をしないでそのまま放置してしまうと、その不動産を売却することができなくなったり、新たな融資を受けられなくなったりするおそれがあるからです。また、金融機関から送られてくる書類には有効期限が定められているものもありますので、こちらも注意が必要です。
相続による登記手続きは相続発生後、すぐにしなければならないわけではありません。民法では、不動産の登記について罰則や義務の規定はなく、全て相続人の自己責任に任せられているからです。ではなぜ名義変更をして相続登記をしておくべきなのでしょうか。それは以下の理由によります。
このような事態を避けるために、不動産を相続したときは、なるべく早めに相続登記をしておく必要があるのです。